私は旅が上手い方ではない。というかめっちゃ下手な部類に入る。
これは旅慣れていない事に加えて、若い頃に偏った旅の仕方しかしてこなかった事に原因がありそうだ。
建築の特に意匠設計の世界にいると、旅に出る=建築を見に行く、になってしまうのだ。たまに観光地に行ったとしても同行者の企画に乗っかったに過ぎない。そう、旅の企画自体が苦手なのだ。(旅行会社に勤めなくて本当によかった)
と、言い訳がましい冒頭のとおり、折角のGWだが旅の予定は全く立てていなかった。
だが、漠然と行きたい場所はあった。奥大井湖上駅である。
日帰りでも行けないことはないが、折角なのでキャンプツーリングをする事にした。
5月4日
6時頃のJARTICの情報によると東名の横浜付近で渋滞が発生していた。
いかんいかんとバイクにサイドバッグを括りつけるも、久しぶりなので少し手間取りつつ出立。
東名東京インターのマクダナーズでライディングジャケットを整えていると結構な数の車が走っていく。ああこれは混んでいるなと諦めて走りだすと案の定混んでいる。渋滞が解消したのが秦野中井付近。あと30分早く出ればずいぶん違っただろう。中井PAで休憩。
此処から先は御殿場付近で多少混んだものの順調だ。富士川SAまで一気に進む。
さてと、そろそろコースを決めなくてはとツーリングマップルでルートを検討する。清水ICで降りて1号バイパスを進み、362号を北上することにした。
静岡県は東西に長い。南北に走る362号線は気を抜くと一気に田舎道になり、針葉樹林の間を進む山岳コースになる。峠の展望台で休憩。蕎麦を供する売店があったがどうにも混んでいる。屋外にテーブルを出し朴葉餅を売っている。そういえば昼食を取っていなかったと3個入り300円を購入。ベンチで食べる。地図には南アルプスが一望できるとあるが、残念ながら雲が厚い。
無駄にドラマチックな朴葉餅
朴葉餅を買ったときにおばちゃんにガソリンスタンドの位置について聞いてみると、この前山を下ったところにあったようななかったような…多くはないがバイクが通りすぎていく。なんとかなるだろうとあとに続く。
切り立った渓谷が美しく思わず一枚
山を下った千頭という村落にガソリンスタンドはあった。給油しながらスタンドのおばちゃんにこの辺にスーパーマーケットがないか問うときっぱり無いという。食料を売っている店ろ尋ねると大井川を渡った少し先にあるという。かなりアバウトな道順を教えてもらって進んでみると、小さな乾物屋があった。レトルトカレーとパンその他を購入。今回もチリビーンズを作ろうとチリパウダーを持ってきていたのだが豆の水煮もトマト缶もない。仕方ない。食料を調達できただけでもよしとしよう。ビールを買いたい旨を伝えると酒屋さんまでの道を教えてくれる。まあ、昔はこうだったんだよね。
大井川を遡って進むうちに寸又峡という渓谷に出てしまった。いつの間にかコースを外れたようだ。
来た道を戻る途中で、軽トラックに乗ったおっちゃんに道を聞いてみると、直ぐ目の前の林道を進むと近道らしい。林道と言っても舗装林道だ。おっちゃんの言葉を信じて進んでいくと、至る所に落石がある。拳大の落石は其れこそ無数に。なかには人の頭ほどの岩が落ちている。進んでいくと眼下に長島ダムが見える。
折角の鳥瞰写真なので本城直季風にミニチュアっぽい加工をしてみる。
県道に無事合流し、大井川鐵道井川線の長島ダム駅で休憩。この路線はアプト式と呼ばれるレールの間に設けられたキアによって急勾配を登っていくものだ。丁度駅に二両連結のアプト式の車両が止まっていたので一枚。
ダム湖に沿って進むと目的地の奥大井湖上駅を見下ろすポイントに到着。
無論写真は撮ったがモヤのある曇の逆光でコントラストがサッパリ出ない。
更に林間コースを進むと、井川湖というダム湖に出る。鬱蒼とした森の中という事もあるが、だんだん日が落ち、薄暗くなってきた。細長い井川湖の北端に南アルプス井川オートキャンプ場がある。オートキャンプ場だけに整備されすぎているし、第一湖畔のキャンプ場のはずがダムの水量が低く干上がっている。とはいえ、此処から先はさらに厳しい林間コースだ。どうしようかと迷っているとスタッフの人が「バイクだったら全部込みで1500円でいいよ」と声をかけてくる。ログハウス風の管理棟の壁面にある料金表をみると車が1台当たり3500円とのこと。バイク乗りのオーナーがバイクの価格設定をしてくれたそうだ。うむ。本日の幕営地は此処に定めることとした。
設営が終わってのんびりしていると、マウンテンバイク(自転車の方ね)の3人組が入ってくる。車でのファミリーキャンプに比べて我がサイトは貧弱なものだなと思っていた矢先、自転車組が設営を始める。人力で運べる範囲だから更にコンパクトだ。
このキャンプ場には温泉が併設されていて、時間を区切ってグループ毎に入れるようになっている。時間が来たので管理棟で300円の入湯料を払い温泉棟に向かうと湯船と洗い場が5区画くらいに間仕切られている。コンクリートの湯船に「これ本当に温泉かな?」と疑問も湧くが、透明のお湯に滑りがあることからも温泉なのだろう。風情はないがありがたい。
風呂から上がり、乾物屋で仕入れたレトルトのカレーを作って夕食。早々に寝袋に潜り、ヘッ電で小説を読み始める。ローレンスブロックの「800万の死に様」である。ビールを片手に読むには不謹慎な気持ちになる小説だ。この本は何度読んだか判らないくらいリピートしていて、試みに英文のペーパーバックも持ってきていた。英語になった途端に一瞬で眠気が襲うのは毎回見事である。
スーパーストレッチ バロウバッグ #3を使っていたら深夜に寒くて目が覚めた。サーマルシーツを中に仕込んで丁度いい。今回は銀マットではなくインフレータブルマットを導入したのだが、寝心地はいい感じだ。
■■■2011/05/05■■■
ド早朝に出発するつもりが撤収で時間を食って、0730に出立。
オーナーがゲートを開けてくれて、暖気ついでに道を尋ねると、予定していた大井雨畑林道はゲートで閉鎖されているとのこと。例年5月頃のオープンらしい。自転車組がまさにそのルートで来たらしいので情報は正確だろう。迂回ルートで考えていた安倍峠も山頂=県境で閉鎖されているようだ。
仕方なく27号線、74号線を南下する事にした。
折角なので、昨日あまりいい写真が取れなかった湖上駅をリベンジしてから戻ろう。
井川湖を半周ほど戻ったところに吊り橋があり、2t車までは通行可能との事。
通行可能と言っても元気いっぱい吊り橋である。恐る恐る進む。対岸にも道はあるのだがダートだったのでもう一度渡って戻る。
さて、湖上駅のリベンジだ。歩きまわってベストなアングルを探していくと、netやパンフレットの写真と同じアングルの場所が見つかる。なんの写真でもそうだが、最終的な撮影ポイントは数mの範囲に集約される。(被写体が建物だったりすると多分10cmくらいだ)
鉄橋は線路以外に遊歩道が併設されている。折角なので急な斜面を下って渡ってみることにした。エンジニアブーツがしんどい。
奥大井湖上駅のプラットフォーム
鉄橋に降りる歩道は鬱蒼とした杉林で、どうにも苔が撮りたくなってしまう。
割とシシガミ様
湖上駅を満喫して27号線、74号線を進む。気持ちのいい林間コースだ。
途中、茶畑があったので、ありがとう静岡で一枚
帰路は一旦、国道一号バイパスの清水港付近まで下る。
道の駅富士で休憩していると、意外な出会いがある。
「ホンダの単気筒車の人ですか?」と声をかけられ、そうだと答えるとどうやら同じバイクショップでその人もバイクを買ったらしい。サイドカバーに貼られた黄色いショップステッカーが目立ちすぎるので他の場所に移そうかと考えていたが、こういうメリットもあるんだな。
SR400に乗ったその人は、GWに自走で関西まで走り、国を1周してフェリーで戻る途中らしい。以前は原付で北海道まで行った猛者であることがわかる。うむ、1泊のツーリングで疲れている場合ではないのである
元気を貰って出発するも。この位置からだと、富士山を通過することになる。
27号線で富士の裾野を目指す。富士山スカイラインはまだ冬枯れで無彩色の世界だ。廻りは原生林で、植樹された杉とは違う荒々しさがある。
山中湖へ抜けて毎度おなじみ道志みちで東京へ
いやぁ、よく走ったな。
大きな地図で見る


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